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保護具等の選定

  • 石綿等の除去等の作業を行う際に着用する呼吸用保護具は、負圧隔離養生の内部では、電動ファン付き呼吸用保護具(電動ファン付き呼吸用保護具の規格(平成26年厚生労働省告示第455号))又はこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器若しくは送気マスク(以下「電動ファン付き呼吸用保護具等」という。)を使用する。
    なお、隔離養生(負圧不要)の内部においても電動ファン付き呼吸用保護具等を使用することが望ましい。
    また、石綿等の切断等以外の方法により石綿等の除去作業を実施することが技術上困難な場合であって、電動工具による石綿等の切断等を行う場合の呼吸用保護具は、電動ファン付き呼吸用保護具(漏れ率に係る性能区分がS級であり、ろ過材の性能区分がPS3 又はPL3 のものであり、かつ、呼吸用保護具の製造事業者により指定防護係数が300 以上であることを証明する型式に限る。)又はこれと同等以上の指定防護係数を有する呼吸用保護具を使用する。マスク通達「防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」第1の5に定めるところにより、1年以内ごとに1回、フィットテストを行うこと。
  • 負圧隔離養生の外部で石綿等の除去等の作業を行う際に着用する呼吸用保護具は、電動ファン付き呼吸用保護具等又は取替え式防じんマスク(防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)に規定するRS3又はRL3のものに限る。)を使用する。
    ただし、石綿等の切断等を伴わない囲い込みの作業又は石綿含有成形板等の切断等を伴わずに除去する作業では、同規格に規定するRS2又はRL2の取替え式防じんマスクとして差し支えない。
  • 石綿等の除去等の作業に当たっては、さらに保護衣又は作業衣を用いる。特に負圧隔離養生及び隔離養生(負圧不要)の内部での作業においては、フード付きの保護衣を用いる。
  • 石綿含有成形板等の除去作業を行う作業場所で、石綿等の除去等以外の作業を行う場合には、当該作業を行う作業員に取替え式防じんマスク又は使い捨て防じんマスクを着用させる必要がある。

呼吸用保護具・保護衣の選定

作業 石綿等の除去等の作業
(吹き付けられた石綿等の除去、石綿含有保温材等の除去、石綿等の封じ込めもしくは囲い込み、
石綿含有成形板等の除去、石綿含有仕上塗材の除去)
石綿含有成形板等及び
石綿含有仕上塗材の除去等
作業を行う作業場で
石綿等の除去等以外の
作業を行う場合
作業場所 負圧隔離養生及び
隔離養生(負圧不要)
の内部
負圧隔離養生及び隔離養生(負圧不要)の外部
(又は負圧隔離及び隔離養生措置を必要としない
石綿等の除去等を行う作業場)
負圧隔離養生及び隔離養生(負圧不要)の外部
(又は負圧隔離及び隔離養生措置を必要としない
石綿等の除去等を行う作業場)
石綿等の切断等を伴わない
囲い込み/石綿含有成形板等の
切断等を伴わずに除去する作業
 
呼吸用
保護具
電動ファン付き呼吸用保護具又は
これと同等以上の性能を有する
空気呼吸器、酸素呼吸器
もしくは送気マスク

(区分1
電動ファン付き呼吸用保護具又は
これと同等以上の性能を有する
空気呼吸器、酸素呼吸器
もしくは送気マスク又は
取替え式防じんマスク(RS3又はRL3)
※電動工具により石綿等を
切断等する場合は、①に限る。

(区分13
取替え式防じんマスク
(RS2又はRL2)

(区分14
取替え式防じんマスク
又は使い捨て防じんマスク

(区分14等)
保護衣 フード付き保護衣 保護衣又は作業着 保護衣又は作業着

呼吸用保護具の区分と種類

区分 呼吸用保護具の種類
区分1
  • 面体形及びルーズフィット形(フードをもつもの)の電動ファン付き呼吸用保護具
    (粒子捕集効率99.97%以上(PL3又はPS3)、漏れ率0.1%以下(S級)、大風量形)
  • 複合式エアラインマスク(プレッシャデマンド形)
  • 送気マスク(プレッシャデマンド形エアラインマスク、一定流量形エアラインマスク、電動送風機形ホースマスク)
  • 自給式呼吸器(空気呼吸器、圧縮酸素形循環式呼吸器)
区分2
  • 全面形面体を有する取替え式防じんマスク(粒子捕集効率99.9%以上、RS3又はRL3)
区分3
  • 半面形面体を有する取替え式防じんマスク(粒子捕集効率99.9%以上、RS3又はRL3)
区分4
  • 取替え式防じんマスク(粒子捕集効率95.0%以上、RS2又はRL2)

石綿を取り扱う作業に使用する保護具

作業
レベル
除去対象製品 除去等工法 呼吸用保護具の区分 保護衣等の種類



1



  • 吹付け石綿
  • 石綿含有吹付けロックウール(乾式)
  • 湿式石綿吹付け材(石綿含有吹付けロックウール(乾式))
  • 石綿含有吹付けバーミキュライト
  • 石綿含有吹付けパーライト
  • 掻き落とし、破砕
  • 切断、穿孔、研磨
  • 封じ込め
  • 囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
1
  • フード付き保護衣
  • グローブバッグ
  • 囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
123
  • 保護衣
  • 専用の作業衣
  • その他特殊工法
粉じんの飛散等の実情に応じて個別に判断する



2




  • 石綿耐火被覆板
  • 石綿含有有けい酸カルシウム板2種
  • 切断、穿孔、研磨等を伴う除去作業
1
  • フード付き保護衣
  • グローブバッグ
  • 封じ込め
  • 囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
123
  • 保護衣
  • 専用の作業衣
  • 囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
1234


  • 屋根用折板石綿断熱材
  • 切断、穿孔、研磨等を伴う除去作業
1
  • フード付き保護衣
  • 封じ込め
  • 囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴うもの)
123
  • 保護衣
  • 専用の作業衣
  • 囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
1234
  • 特殊工法
粉じんの飛散等の実情に応じて個別に判断する
  • 煙突石綿断熱材
  • 切断、穿孔、研磨等を伴う除去作業
1
  • フード付き保護衣
  • 特殊工法
隔離作業場内の作業 1
その他の作業 123
  • 保護衣
  • 専用の作業衣


  • 石綿保温材
  • けいそう土保温材
  • バーミキュライト保温材
  • パーライト保温材
  • けい酸カルシウム保温材
  • 不定形保温材
  • 切断、穿孔、研磨等の作業を伴う場合
1
  • フード付き保護衣
  • グローブバッグ
  • 切断等の作業を伴わない場合:原形のままの取り外し
  • 非石綿部での切断
123
  • 保護衣
  • 専用の作業衣



3


  • 外壁・軒天(スレートボード・スレート波板・窯業系サイディング・押出成形セメント板・けい酸カルシウム板第1種※)
  • 屋根(スレート波板・住宅屋根用化粧スレート)
  • 内壁・天井(スレートボード・スラグせっこう板・パーライト板・パルプセメント板・けい酸カルシウム第1種※・せっこうボード・ロックウール吸音天井板・ソフト巾木)
  • 床(ビニル床タイル・長尺塩ビシート・フリーアクセスフロア材)・煙突(セメント円筒)
  • その他(セメント管・ジョイントシート・紡織品・パッキン)
  • 切断、穿孔、研磨等を伴う除去作業
123
  • 保護衣
  • 専用の作業衣
  • 原形のままの取り外し
1234


  • 除去作業以外の作業

石綿取り扱い準備作業
及び後始末作業

  • 準備作業、隔離養生
  • 足場の組立・解体等
  • 清掃、片付け
隔離空間の構築・解体
及び内部での作業
1
  • フード付き保護衣
隔離空間外側での作業 1234
  • 保護衣
  • 専用の作業衣

1)

「石綿等が吹き付けられた建築物の解体等の作業を行う場合における、当該石綿を除去する作業」には、吹き付けられた石綿等を除去する作業に伴う一連の作業が含まれるため、たとえば、隔離された作業場所における、現場監督に係る作業、除去した石綿等を袋等に入れる作業についても同様の措置が必要である。

2)

隔離された作業場所で足場の変更又は解体作業においても、飛散防止剤の吹付け、粉じん抑制剤の散布、十分な換気等を行った後が望ましいが、その場合にあっても石綿等の粉じん量に見合った保護具の使用が必要である。

この表は、令和3年3月発行の「建設業等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」を基に作成しています。

今回「石綿障害予防規則」の改正により下記表の除去対象製品等が追加されました。
石綿含有仕上塗材の除去等工法は「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」を参照しております。

除去対象製品 除去等工法 呼吸用保護具の区分 保護衣等の種類


  • 石綿含有けい酸
    カルシウム板第1種
  • 切断等によらない除去(原形のまま取り外し)
1234
  • 保護衣
  • 専用の作業衣
  • 切断等による除去(作業場を隔離養生)
1
  • フード付き保護衣

綿





  • 建築用仕上塗材
    (吹付バーミキュライト・吹付パーライトは除く)
    (建築用下地調整塗材)
  • 切断等による除去
    (電動工具を使用しない)
湿潤化 例)高圧水洗工法 123
  • 保護衣
  • 専用の作業衣
例)剥離剤併用手工具ケレン工法 適切な呼吸用保護具を使用 ※
  • 保護衣
  • 専用の作業衣
  • 切断等による除去
    (電動工具を使用する)
作業場を
隔離養生する
(負圧不要)
例)ディスクグラインダー除去 1
  • フード付き保護衣

剥離剤に含まれる溶剤による中毒を防ぐため、SDSに記載されている事項を遵守する事。剥離剤の吹付作業では、防毒マスクの吸収缶が破過した事例があるため、送気マスクを使用する。
塗膜の除去時は送気マスクまたは防じん機能を有する防毒マスクを使用する。

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