GLOSSARY

用語集

  • 石綿

    • 石綿は「アスベスト」と記されることがあるが、本マニュアルでは、日本産業規格(JIS)、他のマニュアルの引用等を除き、「石綿」と表記するものとする。大防法では、石綿は「特定粉じん」の一種だが、現在特定粉じんに指定されているものは石綿のみであるため、同じ意味と考えても差し支えない。

  • 建築物等

    • 「建築物」とは、全ての建築物をいい、建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙又は汚物処理の設備等の建築設備を含むものをいう。「工作物」とは、「建築物」以外のものであっ て、煙突、サイロ、鉄骨架構、上下水道管等の地下埋設物、化学プラント等、建築物内に設置されたボイラー、非常用発電設備、エレベーター、エスカレータ-等又は製造若しくは発電等に関連する反応槽、貯蔵設備、発電設備、焼却設備、煙突等及びこれらの間を接続する配管等の設備等があるものをいう。なお、建築物内に設置されたエレベーターについては、かご等は工作物であるが、昇降路の壁面は建築物である。
      本マニュアルでは、建築物と工作物を併せて「建築物等」という。
      石綿則では平成 23(2011)年 8 月より船舶(鋼製の船舶に限る)についても規制の対象となっているが、本マニュアルでは船舶における措置については解説していない。船舶における措置については、「船舶における適切なアスベストの取り扱いに関するマニュアル(2011 年3月、(一財)日本船舶技術研究協会)を参照すること。

  • 石綿含有吹付け材

    • 大防法施行令の「吹付け石綿」、石綿則の「吹き付けられた石綿」を指し、具体的には、吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール、石綿含有ひる石吹付け材及び石綿含有パーライト吹付け材を指す。一般に「レベル 1建材」と称されているものである。「吹付け石綿」は、吹付け施工されたすべての石綿含有建材を表す場合と石綿含有建材の具体的名称として狭義的に用いられる場合があるため、本マニュアルでは法文に関する記述部分を除き、すべて「石綿含有吹付け材」に統一するものとする。

  • 石綿含有保温材等

    • 大防法施行令の「石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材」(大防法施行規則では「石綿含有断熱材等」とされている)、石綿則の「石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材(耐火性能を有する被覆材をいう。)等」を指し、石綿が使用された保温材、断熱材及び耐火被覆材のことをいう。一般に「レベル2建材」と称されているものである。本マニュアルでは法文に関する記述部分を除き、すべて「石綿含有保温材等」に統一するものとする。

  • 石綿含有吹付け材等

    • 石綿含有吹付け材及び石綿含有保温材等を指す。大防法、石綿則ともに石綿含有吹付け材等の除去や囲い込み、封じ込めを行う際は、原則として都道府県等や労働基準監督署への届出が必要である。

  • 石綿含有成形板等

    • 大防法施行規則の「石綿含有成形板等」、石綿則の「石綿含有成形品」を指し、石綿が使用された成形板やその他の建材等で、石綿含有吹付け材、石綿含有保温材等、後述する石綿含有仕上塗材以外のものを本マニュアルでは「石綿含有成形板等」という。具体的には、石綿含有スレート板や石綿含有押出成形セメント板、石綿含有ロックウール吸音板などの成形板、ビニル床タイル、下地調整塗材等の建材のほか、ガスケットやパッキン、石綿布などの製品等も含まれる。一般にレベル3建材と称されているものである。

  • 石綿含有仕上塗材

    • JIS A 6909 に定められた建築用仕上塗材(しあげぬりざい)のうち、石綿等が使用されているものであり、大防法施行規則の「石綿を含有する仕上塗材」、石綿則の「石綿含有仕上げ塗材」を、本マニュアルでは「石綿含有仕上塗材」という。建築用仕上塗材は、建築物の内外装の保護や意匠を目的とした表面仕上に幅広く用いられている左官材料であり、過去に石綿が使用されていた。なお、仕上塗材の施工時に使用される石綿含有下地調整塗材については、法令上は石綿含有成形板等に区分されるが、除去作業は石綿含有仕上塗材と合わせて実施されることから、本マニュアルでは石綿含有仕上塗材に分類されるものとして扱い、実施する石綿飛散防止措置については石綿含有仕上塗材を除去する際の措置を実施することとする。
      内装仕上げに用いられる石綿含有ひる石吹付け材及び石綿含有パーライト吹付け材については、大防法における「吹付け石綿」及び石綿則における「吹き付けられた石綿」に分類されることから、石綿含有仕上塗材に含まれない。

  • 石綿含有建材

    • 石綿が使用された建築材料全てを指す。大防法では、「特定建築材料」、石綿則では「石綿等」とされてい る。具体的には、石綿含有吹付け材、石綿含有保温材等、石綿含有成形板等、石綿含有仕上塗材を指す。

  • 解体、改造又は補修、改修、解体等、改修等

    • 大防法では、「建築物等を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事」(大防法第 18 条の 15第1項)、石綿則では「建築物、工作物又は船舶の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業」(石綿則第3条)を伴う工事が規制対象となっている。
      このうち、解体を行う工事を指す場合、マニュアル内では「解体」又は「解体工事」という。また、大防法の「改造し、又は補修する作業」、石綿則の「改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)」にあたる工事を、マニュアル内では「改修等」又は「改修等工事」という。
      解体、改修の両方を合わせて「解体等」又は「解体等工事」という。なお、これらの用語を使用する場合は、石綿を使用する建築物等の解体等に限らないことに注意が必要である。

  • 除去、封じ込め、囲い込み、除去等作業

    • 石綿含有建材の除去を行う場合は「除去」、封じ込めを行う場合は「封じ込め」、囲い込みを行う場合は「囲い込み」という。石綿含有建材の除去、封じ込め及び囲い込みの全て指す場合は「除去等」という。

  • 発注者、自主施工者、発注者等

    • 「発注者」とは、解体等工事を発注する者をいう。大防法では「解体等工事の注文者で、他の者から請け負った解体等工事の注文者以外のもの」とされている。「自主施工者」は大防法の用語で、解体等工事を請負契約によらないで自ら施工する者をいう。本マニュアルでは、発注者と自主施工者を併せて「発注者等」という。

  • 元請業者、元請業者等、下請負人、事業者

    • 発注者から直接解体等工事を請け負った者を大防法では「元請業者」といい、元請業者と自主施工者を併せて「元請業者等」という。
      「下請負人」は、大防法では、下請負契約により石綿含有建材の除去等作業を行う事業者を指す。なお、請け負った石綿含有建材の除去等作業が数次の請負契約によって行われるときは、全ての請負契約の当事者である請負人が下請負人となる。
      石綿則では、規制対象が主に「事業者」となっている。事業者は安衛法において「事業を行う者で、労働者を使用するものをいう」とされており、当該規定に該当すれば、元請業者等、下請負人のいずれの場合でも事業者となる。そのため、石綿則で事業者に適用される規制は大防法の元請業者等、下請負人のいずれにも適用されることに注意が必要である。ただし、一人親方等の労働者を使用しない者は事業者には該当しない。
      本マニュアル内では、元請業者のみを指す場合は「元請業者」、元請業者と自主施工者の両方を指す場合は「元請業者等」、下請負人のみを指す場合は「下請負人」、事業者を指す場合は「事業者」という。

  • 作業者、労働者

    • 解体等工事や石綿の除去等作業を行う元請業者等、下請負人に所属し、実際にそれらの作業を行う者を本マニュアルでは「作業者」という。
      また、石綿則でいう「労働者」は、労働基準法において「職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者」と規定されている。本マニュアルでは、作業者のうち労働者のみを指す場合は「労働者」という。

  • 都道府県等

    • 都道府県及び、大防法の特定粉じんに関する権限を有する市区等を本マニュアルでは「都道府県等」という。大防法における粉じんに関する規制に係る届出の受理、各種の命令に関する事務は、都道府県知事の権限であるが、大気汚染防止法上の政令市(大防法施行令第 13 条第 1 項)に委任されている。
      また、都道府県の条例により、特定粉じん排出等作業に係る届出の受理権限等が委任されている市(以下「条例委任市」という。)もある。
      具体的には以下の環境省 HP にて確認できる。
      【参考】大気汚染防止法に基づく届出・問い合わせ窓口
      http://www.env.go.jp/air/osen/law/contact.html

  • 事前調査、調査者等

    • 建築物等や船舶の解体等の前には、当該建築物等や船舶に石綿含有建材が使用されているか否かを調査する必要がある。この調査は、原則として書面による調査(書面調査)と現地で目視により確認する調査(現地での目視調査)を行う必要がある。また、事前調査で建材が石綿を含有するか否か判断できない場合は、建材の採取・分析を行って石綿含有の有無を確認する必要がある。この分析による調査を「分析調査」という。書面調査、現地での目視調査、分析調査をあわせて「事前調査」という。
      事前調査は、調査を適切に行うために必要な知識を有する者が実施することが必要である。詳細については4.3.4 を参照すること。本マニュアルでは当該知識を有する者を「調査者等」という。

  • 作業場

    • 石綿等の除去等作業を行う区域、場所は、大防法では「作業場」、石綿則では「作業場所」といわれているが、本マニュアルでは「作業場」という。下記の隔離を行う場合は、隔離する範囲となる。

  • 隔離

    • 「隔離」とは他の場所からへだて離すことをいい、大防法、石綿則ともに石綿の飛散防止措置として「隔離」という用語を使用している。ただし、同じ「隔離」でも、除去等を行う建材の種類や切断等の有無によって、必要となる措置の内容は異なる。隔離を伴う飛散防止措置については、負圧化を行うものと負圧化を行わないものがあり、これらの措置はそれぞれ(9)負圧隔離養生と(10)隔離養生(負圧不要)を参照すること。
      本マニュアルで単に「隔離」という場合は、作業場を他の場所から分けて区画する広義の隔離(負圧隔離養生や隔離養生、グローブバックによる隔離等を含む)を示す。

  • セキュリティゾーン

    • 「セキュリティゾーン」は、作業員の出入りや、資機材及び廃棄物の搬出入に伴い石綿が外部へ漏えいすることを防ぐため、隔離空間の出入口に設置するもので、一般的には外部から作業場へ向かう方向順に、更衣室、洗身室、前室の連結した3室で構成される。大防法でいう「前室」は、本マニュアルではセキュリティゾーンという用語を用い、単に「前室」というときは3室の一つである狭義の「前室」を指す。石綿則では「前室、洗身室及び更衣室」がセキュリティゾーンに該当する。

  • 施工区画

    • 作業場、セキュリティゾーンのほか、廃棄物保管場所、資機材置場等、石綿の除去等工事に直接又は間接的に関係する区画を「施工区画」という。石綿則では石綿等を取扱う作業場は関係者以外を立入禁止とすることとしており、石綿含有建材の除去等工事にあたっては、施工区画を立入禁止とする。

  • 負圧化

    • 隔離空間及びセキュリティゾーンの内部の大気圧を当該隔離空間及び前室の外の大気圧よりも下げ、隔離空間及び前室の出入口から当該隔離空間及び前室の空気が外部へ漏れない状態にすることをいう。大防法、石綿則ともに「負圧に保つ」とされており、本マニュアルでは、状況に応じて「負圧化」ともいう。

  • HEPA(ヘパ)フィルタ

    • High Efficiency Particulate Air Filter の略。日本産業規格(JIS)Z8122 に定める「定格流量で粒径 0.3 マイクロメートルの粒子に対して 99.97 % 以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が 245Pa(25mmH2O)以下の性能を持つエアフィルタ」をいう。集じん・排気装置や掃除機などに用いられる。

  • 集じん・排気装置

    • 集じん装置と排風機(ファン)で構成される機器であり、隔離空間内に設置して隔離空間及びセキュリティゾーンを負圧化するとともに、作業で発生する石綿等の粉じんをろ過捕集し、清浄な空気を排出する。
      大防法及び石綿技術指針では、石綿含有吹付け材等の除去等の場合(囲い込みは切断等の作業を伴うものに限る)には(7)の HEPA(ヘパ)フィルタ付きの集じん・排気装置を用いることとしている。集じん装置のフィルタ部には、目詰まりを防止するための 1 次フィルタ、2 次フィルタ及び HEPA フィルタを用いるのが一般的である。

  • 負圧隔離養生

    • 大防法及び石綿則では、石綿含有吹付け材等を切断・破砕等して除去等を行う場合には、作業場の隔離、集じん・排気装置の設置、セキュリティゾーンの設置、隔離空間及びセキュリティゾーンの負圧化を行うことが義務付けられている。
      本マニュアルではこれらの措置を行うことを「負圧隔離養生」という。負圧隔離養生を行う際は、集じん・排気装置出口での漏えいの確認や負圧が保たれていることの確認も行うこととなる。石綿技術指針では、負圧化に耐えられるよう、負圧隔離養生に用いるシートは、「床面には厚さ 0.15 ミリメートル以上のシートを二重に、壁面には 0.08 ミリメートル以上のシートを用い、折り返し面(留め代)として 30~45 センチメートル程度を確保すること」としており、この時に用いるシートを「隔離シート」という。また、密閉された空間を「隔離空間」という。
      なお、大防法や石綿則では負圧隔離養生という用語は使用されていない。大防法では、「当該特定建築材料の除去を行う場所を他の場所から隔離すること。隔離に当たっては、作業場の出入り口に前室を設置すること。作業場及び前室を負圧に保ち、作業場及び前室の排気に日本産業規格 Z8122 に定めるHEPA フィルタを付けた集じん・排気装置を使用すること。」等とされている。また、石綿則では、「石綿等の除去等を行う作業場所を、それ以外の作業を行う作業場所から隔離すること。石綿等の除去等を行う作業場所にろ過集じん方式の集じん・排気装置を設け、排気を行うこと。石綿等の除去等を行う作業場所の出入口に前室、洗身室及び更衣室を設置すること。石綿等の除去等を行う作業場所及び前号の前室を負圧に保つこと。」等とされている。

  • 隔離養生(負圧不要)

    • 石綿含有成形板等のうち特に石綿の粉じんが発散しやすいもの(けい酸カルシウム板第1種)を切断等により除去する場合や、石綿含有仕上塗材を電動工具を使用して除去する場合、大防法では「周辺を事前に養生する」としているが、石綿則では、「当該作業を行う作業場所を当該作業以外の作業を行う作業場所からビニルシート等で隔離する」としている。このときの石綿則でいう隔離については、負圧化までは必要とせず、除去作業による石綿含有建材の粉じんが他の作業場所に飛散して作業員がばく露することを防ぐことを求めるものであり、大防法が求めている「養生」と同様の意味である。これらの措置のことを、本マニュアルでは「隔離養生(負圧不要)」という。
      隔離養生(負圧不要)では、石綿を含む粉じんや塊が作業場から周辺へ飛散・散乱することを防ぐため、室内において開口部等をプラスチックシート等で覆う措置や室外においては建築物等の外周をシートやパネルで覆う措置を実施する。隔離養生では負圧化までは必要としない。隔離養生(負圧不要)や(11)の養生に用いるシートを「養生シート」という。養生シートの材質や厚みの規定はないが、十分な厚みがあり、簡単に破れないシートを使用すること。また、養生はシート状のものだけでなく、鋼板やパネル等を用いて行うことも可能であるが、作業場から周囲に石綿を含む粉じんを飛散させないよう、ある程度の密閉性を確保する必要がある。

  • 養生

    • 建築物等や設備、使用機器等の汚れ防止や破損防止等を目的として、養生シートやパネル等で建築物等や設備、使用機器、作業場の周囲等を養生することを本マニュアルでは「養生」という。養生を行う例としては以下の例がある。
      ・足場囲い養生:粉じんの飛散防止や騒音対策のため、建築物の周囲に設置した足場の外周をシートやパネルで囲う養生
      ・飛沫養生:高圧水洗工法を行う際に、噴射水等の飛沫飛散防止のためにシートを用いて行う養生
      ・床防水養生:高圧水洗工法を行う際に、汚染水の流出防止のため防水性能のあるシートを床に用いて行う養生
      ・陽圧回避養生:煙突断熱材の除去において、断熱材の崩落時に生じる下部隔離区域の気積と圧力増を一時的に回避するための養生)

  • 切断等

    • 石綿含有建材の切断や破砕等、石綿を含む粉じんが多量に発生するおそれがある作業を本マニュアルでは「切断等」という。大防法では「かき落とし、切断し、又は破砕すること」、石綿則では「切断、破砕、穿孔、研磨等」とされている。

  • 原形のまま取り外し

    • 石綿含有保温材等や石綿含有成形板等を切断等することなくそのまま建築物等から取り外し、除去することを「原形のまま取り外し」という。石綿含有保温材等や石綿含有成形板等の除去等を行う際、大防法では「かき落とし、切断又は破砕以外の方法」、石綿則では「切断等以外の方法」は、原形のまま取り外すことを指す。

  • 湿潤化

    • 石綿繊維等の飛散を抑制又は防止するため、薬液等((15)参照)で石綿含有建材を湿潤な状態にすることを指す。
      湿潤化に関して、石綿則では、「湿潤な状態のものとすること」と「常時湿潤な状態に保つこと」という規定がある。「湿潤な状態のものとすること」は石綿繊維等の飛散を抑制又は防止するため、石綿含有建材を一時的に湿潤なものとすることであり、「常時湿潤な状態に保つこと」は切断面への散水等の措置を講じながら作業を行うことにより、湿潤な状態を保つことである。石綿則では、石綿含有成形板等のうち特に石綿の粉じんが発散しやすいもの(けい酸カルシウム板第1種)を切断等により除去する場合や、石綿含有仕上塗材を電動工具を使用して除去する場合には、常時湿潤な状態に保つことが求められる。なお、大防法ではどの作業においても「湿潤化」という用語が使用されている。本マニュアルではいずれの場合も「湿潤化」といい、常時湿潤な状態に保つ場合は、継続的に湿潤化を行うよう記載している。

  • 薬液、薬液等

    • 薬液等は石綿の飛散を抑制・防止するために用いられる薬液や水のこと。「薬液」には粉じん飛散抑制剤と粉じん飛散防止処理剤がある。また、石綿含有仕上塗材の除去においては、剥離剤も薬液に含まれる。薬液と水をあわせて「薬液等」という。薬液等は使用状況、目的にあわせて効果のあるものを選択する必要がある。

  • 粉じん飛散抑制剤

    • 石綿含有吹付け材等の内部に浸透し、石綿繊維を結合させ、除去時に粉じん飛散を抑制させるものを「粉じん飛散抑制剤」という。水に比べて、表面張力を減らし、吹付け材等が吸収しやすいものとなっている。除去工事の際の湿潤化のために使用するほか、除去作業中の浮遊粉じんの沈降促進のために空中散布する。また、除去した廃棄物の安定化処理のために使用する。(17)の粉じん飛散防止処理剤と同じものを、希釈倍率を変えて使用することが多い。

  • 粉じん飛散防止処理剤

    • 表面に被膜を形成し、粉じんの飛散を防止するためのものを「粉じん飛散防止処理剤」という。石綿含有吹付け材を除去した後の表面に吹付けて除去面からの粉じん飛散を防止するほか、隔離シートを撤去する際に付着している粉じんを固定するために噴霧する。また、隔離作業場内で使用した工具等の搬出にあたっては、付着している石綿を濡れウェス等でふき取ったのち、粉じん飛散防止処理剤を噴霧し残存する粉じんの飛散を防止する。粉じん飛散防止処理剤のうち、建築基準法第 37 条第 2 項に基づく認定を受けた石綿飛散防止剤は封じ込め処理工事の薬液にも使用される。

  • 高性能真空掃除機

    • HEPA フィルタ付きの真空掃除機、又は石綿繊維の捕集率が HEPA フィルタと同等の性能を有する真空掃除機のことを「高性能真空掃除機」という。

  • グローブバッグ

    • 配管の一部等を局所的に隔離するための袋状の用具を「グローブバッグ」という。グローブバッグには手を入れて作業を行う手袋の部位がある。作業箇所に取り付けて当該部分を密封した後、手袋を使って石綿の除去作業を行い、密封状態を保ったまま取り出すことが可能であるとされている。

  • 廃石綿等

    • 建築物等の解体等工事から発生する石綿含有吹付け材等の除去物及び石綿含有吹付け材等の除去物が発生する解体等工事に使用した隔離シート、保護衣、呼吸用保護具のフィルタ等の廃材を廃棄物処理法で「廃石綿等」という。廃棄物処理法の特別管理産業廃棄物に該当し、処分にあたっては、管理型若しくは遮断型最終処分場での埋立処分を行う又は溶融・無害化処理を行った上で最終処分場での埋立処分を行う必要がある。また、溶融・無害化を行わずに埋立処分するにあたっては、固型化、薬剤による安定化又はこれらに準ずる措置を講じた上、耐水性の材料で二重梱包する等の措置が必要となる。

  • 石綿含有産業廃棄物

    • 建築物等の解体等工事等から発生する廃棄物のうち、廃石綿等(特別管理産業廃棄物)以外のもので、石綿を 0.1 重量%を超えて含有する産業廃棄物を「石綿含有産業廃棄物」という。その処分にあたっては、中間処理での破砕が禁止されており、最終処分場の一定場所に埋立処分を行う必要がある。また、溶融・無害化処理を行ってもよい。

  • 呼吸用保護具

    • 粉じんや有害物質等の存在下で、呼吸を保護するために着用する個人用保護具。送気マスク等給気式呼吸用保護具、国家検定の面体形及びルーズフィット形(フードをもつもの)の電動ファン付き呼吸用保護具や取替え式防じんマスクを「呼吸用保護具」という。なお、使い捨て式防じんマスクは、石綿を取扱う作業に使用してはならない。

  • 保護衣

    • 全身又はその一部を粉じんや有害物質の化学的、物理的又は機械的作業から保護する個人用保護具。 JIS T 8115:2015 化学防護服の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ 5)又は同等品を使用する。

  • 作業衣

    • 一般環境や家庭内への二次汚染を防止することを目的に、石綿を取り扱う作業場内で専用に着用する作業衣のこと。石綿を取り扱う作業以外の作業で着用する作業衣や通勤衣と区別して使用する。材質は、表面が平滑で粉じんが付着しにくいものとし、構造は、粉じんが服内部に侵入しにくく、また、粉じんが堆積しないようにポケット数が必要最小限のものとする。

「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止対策マニュアル」(令和3年3月厚生労働省・環境省)を基に作成