建設業における有機溶剤中毒予防のためのガイドライン
有機ガス対応の呼吸缶が必要な法的根拠(基発:第197号 平成9年3月25日通達)
呼吸用保護具の使用
(1)作業前の管理
事業者は、呼吸用保護具を使用させる場合にあたっては、次に掲げる事項を実施すること。
- 酸素濃度が不明な作業現場においては、送気マスク等を備えること。
- 作業環境中に有機溶剤の蒸気と塗料の粒子等の粉じんが混在する作業については、次のいずれかによること。
[1] 防じんマスクの検定にも合格している吸収缶を装着した有機ガス用防毒マスクを使用させること。
[2] JIS T 8152に適合するフィルタ付の吸収缶を使用させること。
[3] メーカーオプションのプレフィルタを吸収缶の前に取り付けて使用させること。
- 防毒マスクを使用させる場合にあたっては、次によること。
[1] 当該防毒マスクの取扱説明書等及び破過曲線図、メーカーへの照会等に基づいて作業場所における有機溶剤の気中濃度、作業場所における温度、湿度及び気圧に対して余裕のある使用限度時間をあらかじめ設定すること。
[2] 作業の予定時間に対して、防毒マスクが十分時間的に余裕を持って使用できるよう、必要に応じ防毒マスク用の予備の吸収缶を備えること。
[3] 試験ガスの破過時間よりも著しく破過時間が短い有機溶剤に対して使用した吸収缶は、一度使用したものは使用させないこと。
(2)作業中の管理
- 防毒マスクを使用させる場合にあっては、次によること。
[1]防毒マスク及び防毒マスク用吸収缶に添付されている使用時間記録カードに、使用した時間を記録すること。
[2]防毒マスクを使用させる場合にあっては、上記の(1)の3の[1]により設定された使用限度時間を超えて防毒マスクを使用させないこと。
有機溶剤中毒予防規則 第5章 測定
(評価の結果に基づく措置)
- 事業者は、前条第1項の規定による評価の結果、第3管理区分に区分された場所については、直ちに、施設、設備、作業工程または作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設または設備の設置または整備、作業工程まてゃ作業方法の改善その他作業環境を改善するため必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第1管理区分または第2管理区分をなるようにしなければならない。
- 事業者は、前項の規定による措置を講じたときは、その効果を確認するため、同項の場所について当該有機溶剤の濃度を測定し、及びその結果の評価を行わなければならない。
- 前二項に定めるもののほか、事業者は、第1項の場所については、労働者に有効な呼吸用保護具を使用させるほか、健康診断の実施その他労働者の健康の保持を図るため必要な措置を講じなければならない。
管理区分と管理区分に応じて講ずべき措置
管理区分 |
作業場の状態 |
講ずべき措置 |
第1管理区分 |
この単位作業場所のほとんど(95%以上)の場所で気中有害物質の濃度が管理濃度を超えない状態 |
現在の管理の継続的維持に努める |
第2管理区分 |
この単位作業場所の気中有害物質の濃度の平均が管理濃度を超えない状態 |
施設、設備、作業工程または作業方法の点検を行い、その結果に基づき、作業環境を改善するため必要な措置を講ずるよう努める |
第3管理区分 |
この単位作業場所の気中有害物質の濃度の平均が管理濃度を超えている状態 |
施設、設備、作業工程または作業方法の点検を行い、その結果に基づき、作業環境を改善するため必要な措置を講ずる
[有効な呼吸用保護具の着用]
健康診断の実施その他労働者の健康の保持を図るため必要な措置を講ずる |