アスベスト処理 - 負圧集じん機のメンテナンス

負圧集じん機の点検修理

使用した機材の点検修理は、ばく露防止の観点から負圧環境下の作業場内またはセキュリティーゾーン内の前室で行うことを原則とする。 外部で点検修理を行う場合は、負圧環境下の作業場内または汚染除去室で個人用保護具、作業工具などと同様の手順で汚染を除去した後、0.15㎜以上のポリエチレンシートで二重に梱包し、点検修理を行う場所に原則として自社便で輸送する。点検修理を行う場所の設備および作業者の装備は、隔離、負圧、湿潤化、個人用保護具の着用など、外部環境への粉じん漏出防止対策および個人ばく露防止対策を充たすことが必須である。
(環境省:建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル2007抜粋)
<参考 負圧集じん排気装置のフィルタ交換作業手順例>
石綿粉じんへのばく露防止マニュアルではフィルタ交換時期の例が記載されています。また各フィルタは現場の状況にあわせて詰まり具合や使用時間をこまめに点検して不具合がある場合はすぐに交換してください。
【1】事前準備
(1) 仮囲い設置
  壁・天井は0.08㎜の隔離シート一重、床面は0.15㎜の隔離シート二重にして隔離する。
(2) 負圧集じん排気装置の固定
  負圧集じん排気装置の吸気口を仮囲いの中に入れて養生テープで密閉し、排気口も密閉する。
(3) 真空掃除機設置
  真空掃除機の吸引ホースを仮囲いの中へ入れて密閉接続する。
(4) 用具・交換部品の準備
  あらかじめ廃棄用プラスチック袋、交換用フィルタ、工具等を仮囲い内に準備する。
(5) 保護具の装着・湿潤化
  仮囲いに入る前に必要な保護具を装着し、内部を薬液等で湿潤化してから交換作業を行う。
フィルター交換作業事前準備

負圧集じん機の安全な使用方法

【2】交換作業
(1) 仮囲い内湿潤化
<作業イメージ>
(2) 1次フィルタ取り外し 1次フィルタ取り外し
(3) 2次フィルタ取り外し 2次フィルタ取り外し
(4) 仮囲い内湿潤化
(5) HEPAフィルタ取り外し
  HEPAフィルタには吸着された粉じんが付着しているので吸気側を下にして置いてください。 HEPAフィルタ取り外し
(6) 廃棄フィルタ密封
  0.15㎜以上のプラスチック袋に二重に入れて密閉する。  
(7) 負圧集じん排気装置の清掃
  ・内部の汚れ
粉じんが堆積している所はきれいに拭き取ってください。
絶縁不良の原因となる場合があります。
・パッキンの破損
少しの破損でも粉じんの漏れにつながりますので必ず交換してください。
・本体、取り付け枠、金具のゆがみ
ゆがみがあると気密が保てなくなる可能性があります。 異常がある場合はすぐに交換してください。
内部の清掃
(8)
注意
 
  ・HEPAフィルタの取り扱いは慎重に行ってください。
・床に下ろす場合も静かに、振動を与えないようにしてください。
・破損したHEPAフィルタは絶対に使用しないでください。  
HEPAフィルタの破損
 
負圧集じん機の安全な使用方法
(9) 仮囲い内清掃
(10) 保護具の廃棄
(11) 仮囲い撤去
(12) 作業内容の記載
 
(石綿障害予防規則第23条 定期自主検査の記録)
事業者は自主検査を行ったときは次の事項を記録し、これを3年間保存しなければならない。
1.検査年月日
2.検査方法
3.検査箇所
4.検査の結果
5.検査を実施した者の氏名
6.検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときはその内容
 

負圧集じん機の風量検査  負圧集じん機の漏れ検査

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