マスク装着における安全指導について

どんなに高性能のマスクでも密着性が十分でなく漏れがあると、粉じんの吸入を防ぐ効果が著しく低下します。

なぜフィットテストが重要なのか

防じんマスクは空気を吸入する際フィルタを通過する構造のため、吸入時に「通気抵抗」が生じマスクの面体内を【陰圧状態】になることがあります。この状態では、接顔部などにすき間が生じていた場合、そこから有害物質を含む気体がマスク内に漏れ混んでしまう恐れがあります。そこで大切なのが、フィットテスト。密着性の確認を実行することです。
フィットテスト
<労研式マスクフィッティングテスターMT-03型>
厚生労働省では、マスクの選択や使用にあたり必ずフィットテストを行うことを通達(基発0207006号平成17年2月7日)で示しています。また平成18年度、岡山産業保健推進センターと岡山労災病院は作業現場で正しいマスク着用が徹底されていない、などの石綿作業環境測定とマスク効率に関する調査をまとめています。
フィットテスターN型
<フィットテスター>


正しいマスクの装着状態を確認する

(1) 顔にあった大きさのマスクを選ぶ
顔の大きさに個人差があるだけでなく、作業中に表情が変化することがあるため、接顔部の密着性に注意する必要があります。マスクを選ぶ際は、顔にあった面体を選択します。
(2) しめひもを適切な長さに調節する
しめひもの位置及び締め方を適切にし、ひもについは、耳にかけることなく後頭部で固定させます。
(3) フィルタ交換を早めに行う
フィルタが粉じんを捕集すると堆積によって目詰まりが進んで通気抵抗が上昇します。通気抵抗による漏れについては注意する必要があり、息苦しくなった場合は、フィルタを交換する必要があります。
(4) 着用する保護具を全て装着してからフィットテストを行う
接顔部に挟まって漏れ込みの原因となるような髪の毛、タオル、メガネ、防護服のフードなど、密着性を阻害する要因がないかを確認するために、フィットテストは必ず保護具を全て付けた状態で行います。
タオルをはさみこんだ例
<タオルを挟み込んだ例>
メガネの柄をはさみこんだ例
<メガネの柄をはさみこんだ例>

取替え式防じんマスク:フィットテストの実施

陰圧法フィットテスト

防じんマスクの面体を顔面に押しつけないように、フィットチェッカー等を用いて吸気口をふさぎ、息を吸って、防じんマスクの面体と顔面との隙間から空気が面体内に漏れ込まず、面体が顔面に吸いつけられるかどうかを確認する。 陰圧法チェックテスト

陽圧法フィットテスト

防じんマスクの面体を顔面に押しつけないように、フィットチェッカー等を用いて排気口をふさぐ。息を吐いて、空気が面体内から流出せず、面体内に呼気が滞留することによって面体が膨張するかどうかを確認する。

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